
どうも、現役古物商のブログ管理人X(エックス)です。
アマゾンではたくさんの中古本が売られていますよね。
出品している業者もいろいろで、1円で出品している業者もいれば、10,000円以上で出品している業者もいます。
さらに、コンディションも価格も様々なので、どの業者を選べば良いのか決めることは難しいかもしれません。
そこで、アマゾンで中古品販売をしている僕が『アマゾンでの中古本を買う時の注意点』を徹底的に業者視点も含めて解説しちゃいます。
基本は評価が高い業者を選ぶ
アマゾンでは出品している業者の一覧を見ることができます。

この一覧で価格とコンディションと業者の評価を確認することができます。
最初に、業者の評価を確認しましょう。
評価は高い方が良いのですが、ますは90%を最低の目安として足切りしましょう。
アマゾンの評価システムを考えても評価が90%を割る業者は何か問題をかかえています。
90%以上の業者はどこが良いのかという話ですが、基本的に評価が高い業者から購入しておけばトラブルは少ないです。
例えば、次のような業者が出品している場合を考えます。

業者Aが97%、業者Bが99%、業者Cが91%です。
中古本の価格やコンデイションにもよりますが、この場合は業者Aか業者Bのどちらかにした方が良いでしょう。
90%というのは最低のラインなので、他に90%後半台の業者があれば、その中から選ぶのがベターです。
業者Aと業者Bのどちからにするから、価格やコンディションを見て決めます。
【全期間の評価も大事】
評価については、業者名をクリックすると全期間の評価をみることができます。業者一覧に表示されているのは過去1年の評価です。全期間の評価と1年間の評価があまりにも差があるばあいは、その業者は避けたほうが無難です。
評価はパーセンテージだけでなく、評価の数も見ておいた方が良いでしょう。
評価の数とは、パーセンテージの下に表示される(○○件の評価)の部分です。

評価数10で100%なのと、評価数100で95%なら、後者の方が信頼できるかもしれません。なるべく評価数が多い業者を選んだ方が良いでしょう。
ただし、100前後の評価数を得ているのであれば、アマゾンでそれなりの取引をしていることになるので、そこまで気にする必要はないです。
あくまでも、評価数が10や20といった業者を避けるということが大事です。
コンディションをよく確認しよう
中古本には4つのコンディションがあります。
- ほぼ新品
- 非常に良い
- 良い
- 可
これらのコンディションについて説明していきます。
ほぼ新品
アマゾンのコンディション規約には次のように書かれています。
ほとんど読まれた形跡がない完全な状態の商品。カバー、ページに書き込みや折り目などがない商品。ギフトに適している商品。「バーゲン」と表示された本は、「バーゲン」の本として購入されたときと同じ状態にある場合、このコンディションで出品できます。
Amazonコンディションガイドライン
注目して欲しいのは「バーゲン本」もほぼ新品で出品できるということです。
バーゲン本というのは、ホームセンターなどで売られている本のことです。
新品の本は再販制度によって定価販売が原則ですが、再販制度期間を過ぎた本はバーゲン本として安く売られていることがあります。
アマゾンでバーゲン本として出品されている本は、ホームセンターなどでバーゲン本として売られていた可能性があります。
バーゲン本はシールが貼られていたり印が押されていたりすることもあります。
決して新品同様の状態ではないということに注意しましょう。
非常に良い
非常に良いはアマゾンの規約では次のようになっています。
使用されているが、非常にきれいな状態の商品。ページも完全な状態で、書き込みや線引きがない商品。背表紙にも傷がない商品。
Amazonコンディションガイドライン
良い中古本を購入したいなら、評価の高い業者から『非常に良い』で出品されている本を選ぶことが大事です。
規約にも書かれているとおり、非常に良いで出品されている本は書き込みがありません。
そして、背表紙などにも傷はないのが普通です。
また、規約には書かれていませんが、ヤケもないのが普通です。
まともな業者が出品しているのであれば、非常に良いの中古本を買って嫌な思いをすることはまずありません。
良い
コンディション『良い』の説明をします。販売者視点で言えば、
このコンディションは一番クレームをいただくことが多いコンディションです。
これだけ、勘違いが生じやすいコンディションでもあるというわけです。
では、アマゾンの規約を見ていきましょう。
使用されていても、きれいな状態の商品。ページとカバーが完全な状態で(該当する場合、ダストジャケットも含む)、背表紙に多少の傷が見られる商品。半分以下のページに書き込みや線引きがある商品。蔵書印が付いている商品。
Amazonコンディションガイドライン
一番問題になりやすいのは、「半分以下のページに書き込みや線引きがある商品」という部分ですね。
これは結構ビックリするかもしれませんが、書き込みがあっても半分以下のページなら『良い』で出品できてしまいます(あくまでガイドライン上ではです)。
普通、『良い』の本を買って書き込みがあったら、怒ると思うんですよね。
でも、アマゾンのガイドラインは書き込みがあっても『良い』で出品してOKということになっているので注意しましょう。
ただし、まともな業者は書き込みがある本を『良い』で出品したりはしません。そんなことをすればクレームになってしまい、悪い評価につながってしまうとわかっているからです。
『良い』の本で書き込みがあるかどうかは、検品のやり方とも関係してくるのですが、かなりきっちり検品をしている業者はコンディションの説明欄に「書き込みありません」のような文言を書いているはずです。
『良い』で書き込みがない本が欲しい場合は、コンディション説明欄を確認して、「書き込みがない」と書いている業者から買いましょう。
可
最後はコンディション『可』についてです。
『可』の本には次のようなデメリットがあります。
- カバーがない
- 書き込みがある
- ヤケやヨレが酷い
- 汚れている
これらの状態でも納得できるのなら、『可』の本を買ってもよいでしょう。
販売者側の視点で言わせてもらうと、『可』で販売している本は次のような理由で販売している場合があります。
- パッと見で酷い状態
- ペラペラめくっただけで書き込みがある
- カバーがない
- そもそも検品していない
4つ目の「検品していない」というのに、少し驚くかもしれませんが、これは普通にあります。
大学受験が終わって大量の赤本を買い取ったときなんかは、書き込みチェックをしている時間がないので「全部『可』でやっちゃえー」ってなります。
本によっては『可』のコンディションのものしかない場合もありますが、もし購入するならそれなりの状態だと覚悟して買いましょう。
1円本について解説するよ
アマゾンでは1円で売られている本がたくさんありますよね。
通称『1円本』です。
これって最初に見たときは少し戸惑うと思うんですよね。
「どうして1円なの?」って思いますよね。
そんな1円本について解説します。
中古本の価格が1円になる理由
どうして1円なのか?
この辺りの話をしていきます。
まずは1円になる理由ですが、これは価格競争の結果そうなるからです。
価格競争というのは、出品時の価格競争とツールによる価格競争があります。
出品時の価格競争
例えば、ある本をコンディション『非常に良い』で500円で販売している業者がいるとします。
別の業者がコンディション『良い』で出品する時、コンディションが1つ落ちるので500円よりも安い価格で出品していきます。仮に300円で出品したとします。
さらに別の業者がコンディション『非常に良い』の本を最安値の300円で出品してきました。
すると、また別の業者がコンディション『良い』の本を100円で出品したりするわけです。
【価格競争の仕組み】
- 『非常に良い』:500円
↓ - 『良い』:300円
↓ - 『非常に良い』:300円
↓ - 『良い』:100円
これが出品時に起こる価格競争です。
ツールによる価格競争
アマゾンのシステム自体に価格の自動改訂機能が組み込まれていて、1円単位での価格競争は常に繰り広げられています。
中古本の価格で247円みたいな中途半端なものが多いのは、ツールの価格競争の結果による部分も大きいです。
ツールはアマゾン以外の企業からも提供されています。
アマゾンではMWSという出品者用のプログラムを提供しているので、このMWSを使って価格改訂ツールを開発している企業もあるのです。
中古本が1円でも損しない理由
中古本が1円になる仕組みについては説明しましたが、「1円で販売して儲かるの?」という疑問があると思います。
これについては、業者のやり方にもよると思うのですが、零細業者であっても少なくてもトントンくらいにはなっているかと思います。
1円本でも損をしない理由は、送料です。中古本自体は1円でも、送料は250~300円くらいかかるのが普通です。
この送料によって損をしないようにしているわけです。
例えば、1円本を送料300円で販売すると、手数料などを除いて業者には166円が振り込まれます。
166円から本の仕入れ原価や人件費・梱包費・発送費用などを差し引いてマイナスにならなければ損はしないわけです(固定費は除いて考えています)。
1円で売るような本の買取価格は二束三文(つまりはタダ同然)であることがほとんどなので、人件費や梱包費や発送費用が166円以内に抑えられれば、ほぼほぼOKなのです。
また、一度に複数冊購入された場合だと、アマゾンのシステム上は送料は購入された冊数分受け取ることができますが、発送をまとめることができれば、送料で浮かせることも可能です。
以上が、1円本でも損をしない理由です。
こんな業者は注意しよう
いろいろと説明をしてきましたが、最後にアマゾンで中古本を購入する時に避けたほうが無難な業者について説明します。
評価が90%未満の業者
すでに説明しましたが、評価が90%以上ある業者の中からなるべく高い評価を得ている業者を選ぶのがベターです。
評価が低い業者は価格を安くする傾向にありますが、避けたほうが無難です。
同じコンディションで次のような評価の場合は①の業者から買った方がいいです。
- ① 評価97%で700円
- ② 評価88%で400円
評価が低い業者というのは、検品がいい加減なだけではなく、メールをしても返信しなかったり、連絡が取れても対応が雑だったりすることがよくあります。
無在庫販売をしている業者
アマゾンでは無在庫販売は禁止なんですね。
でも、無在庫販売をしている業者はいます。
正確には、無在庫販売をしていると思われる業者です。
無在庫販売業者で中古本を買うとどんなデメリットがあるのか説明します。
- 注文キャンセルされる
- 価格が尋常じゃなく高い
主にこれら2点がデメリットになります。
注文をキャンセルされる
まず、無在庫業者は注文が来てから商品を探します。なので、もし商品が見つからなかったら、注文がキャンセルされます。
無在庫販売をやっている業者はモラルも低いので、きちんとした説明なんてしないで、いきなりキャンセルする場合も多いです。
価格が尋常じゃなく高い
無在庫業者が販売している中古本の販売価格が異常に高いことが多いです。

これは定価1,620円の本を10,335円で販売している、無在庫業者と思われる出品者一覧の画像です。
中古本は希少性からプレミア価格になることもありますが、アマゾンが新品の本を販売しているのに、このような異常な価格で出品しているのは、無在庫業者の可能性が高いです。
無在庫業者は注文を受けてから仕入れます。
当然、仕入先も仕入れ値もわからないので、とてつもなく高い価格を設定して十分なり幅を確保するのが狙いなのです。
無在庫業者から購入することは、法外な値段で買わせられることと同じです。
以上の2つの理由から、無在庫販売をしていると思われる業者から購入することは避けたほうがよいでしょう。
古物商の記載がない業者
中古本を仕入れて販売するのであれば、古物商が必要ということが古物営業法という法律で決まっています。
もし、古物営業法に違反すると、100円以下の罰金か懲役3年以下になります。
法律を守らない業者からは購入しないことをオススメします。
アマゾンでは出品者の『特定商取引法に基づく表記』で古物商の許可を得ているかの確認ができます。

古物商の許可を得ている業者であれば、『古物商許可証番号』という項目が表示されて、古物商の番号が記載されているはずです。
この記載がなければ、古物商の許可を得ていない業者を思われるので、そういった業者からは購入しない方が良いでしょう。
まとめ:業者選びが全てです
長くなりましたが、アマゾンで中古本を購入する時のポイントを説明しました。
価格やコンディションは重要ですが、一番大事なのは「どの業者から買うのか」ということです。
いい加減な業者から買ってしまうと、返品するのにも苦労したりと、いろいろストレスがたまります。
良い業者を選んで気持ちよく買い物をしましょう。